ふいに顔を上げた弦さんが、奥にある引き戸のほうに素早く移動して床に膝を付き、その戸をスーッと開けた。
そこには――、
透き通った白い肌、結い上げた漆黒の髪、紅をひいた真っ赤な唇、強さのにじむ金色の瞳、
色鮮やかで豪華な着物を着た美しい女性が立っていた。
「――そろそろいいかしら」
艶のある落ち着いた声が店に響く。
「あぁ、雅(みやび)か」
「雅様(みやさま)!こんにちは、ご無沙汰しています、憂です!」
「!?」
挨拶の流れからいきなり紹介されて驚いた。
というか、今の言い方は自分が憂だということなのでは…?
そこには――、
透き通った白い肌、結い上げた漆黒の髪、紅をひいた真っ赤な唇、強さのにじむ金色の瞳、
色鮮やかで豪華な着物を着た美しい女性が立っていた。
「――そろそろいいかしら」
艶のある落ち着いた声が店に響く。
「あぁ、雅(みやび)か」
「雅様(みやさま)!こんにちは、ご無沙汰しています、憂です!」
「!?」
挨拶の流れからいきなり紹介されて驚いた。
というか、今の言い方は自分が憂だということなのでは…?

