アヤカシとキツネさん

じゃあ、と立ち上がろうとした瞬間、またキツネが苦し気に呻いた。



「ぐっ…う…ッ!」



「……どこか…痛いんですか?」



ひどい苦痛に歪んでもなお綺麗な顔をしたキツネを――放っておけそうにもなかった。



「っ…あ…し…、…あしを…退けてくだ、さ…いっ」



「あし…?」



「せ、背中…っ…足…踏まれって…うぐっ…!」



どういうこと――…?

足で背中を踏まれている?


たしかに、うつ伏せのこの状態は……踏み潰されてなったようにも思える。



だけど――…、


キツネの背中に足のようなものは、見当たらない。