アヤカシとキツネさん

………。

狐の次は天狗か。


大天狗って何ですか?

位(くらい)があるんですか?



「位は色々あるよ。種類も色々あるの。でも難しいから父様に聞いてね?」



「えっ!?あれ、いま…」



「ふふっ、声に出てたよ。憂ってば、うっかり屋さんだね」



ケラケラ笑う千歳くん。


……そんなに私を天狗に会わせることが楽しくて仕方ないのかな。


ていうか、

すごい天狗様って、どんな?


絶世の美男子な俺様イケメン天狗様?


それは、それで…



「……こわいなぁ」



「んん?こわい?憂、大丈夫だよ、僕がついてるから!」



ポロリと零れた本音に、千歳くんが私を振り返って、頼もしい顔で、繋いでいる手をギュッと強く強く握ってくれた。


小さくて、温かい…


私の手とは全然違う、可愛らしい手。


千歳くんの優しさが伝わってくる。



「……ありがとう」