アヤカシとキツネさん

丸まった背中を撫でていると――…



「千歳!」



大きな声に、身体が跳ねた。



「ひっ!?」



「あっ…父様…」



私達のほうに向かって歩いてくる影――ようやく、世羅さんだと気付いた。



「どこにいるかと思えば…門限は5時ですよ」



「えっ?早くないですか?」



世羅さんの言葉に、思わず反応してしまった。


門限って…門限…?