アヤカシとキツネさん

噛みついたりしなさそうなので(若干まだ疑っている)、小さな身体を持ち上げてみた。


だらーんと下がる後ろ足。

尻尾がゆらゆらと揺れる。



「……憂、楽しい?」



「うん、可愛い」



答えになっていない答えを返して、持ち上げた子狐をぎゅうぎゅう抱きしめて、頬っぺたをすりすりした。


すると子狐が照れたように笑って、私の頬っぺたをペロペロしてきた。



「ふふっ、くすぐったいよ」