アヤカシとキツネさん

うえっ、と、また目の前のキツネ(断定)が苦し気に呻いた。

胸が…ズキズキドキドキする。
見てみぬフリは…出来そうにない。



「……あ…あのー…」



そっと近寄り、キツネの頭元にしゃがみ込んで、声を掛けた。



「…だ…大丈夫です、か?」



「ッッ!?」



ハッ、と目を見開いて、顔を上げたキツネ。


サラサラの髪の毛も金色で、大きな瞳を縁取る長い睫毛も金色。


瞳だけが――鈍く光る銀色だった。



「わ…私が…っ…見えるの…ですか?」



「……は?…え…まぁ…はい……あの、大丈夫ですか?」



頭は、という意味も込めて、もう一度聞いた。


キツネの口から苦しそうに吐き出された言葉。


苦し気ではあるけれど、独特の低さを含んだ艶のある声に――


どうしてだろう、

なぜか、



震えた。