世羅さんが怒っていないことには安心したが、子狐からの視線にダラダラと冷や汗が流れる。



「……っ…」



そんな、真っ直ぐな、キラキラした可愛らしい瞳で――見ないで欲しい。



食欲?食欲なの?

やはり肉食なのだろうか。



人間なんて食べても美味しくないだろうが……私は人間を食べたことがないので、断定は出来ないけど。


突飛な考えかもしれないが、考え出したら、もう、そうとしか考えられない。



――こくん、

子狐が、喉を鳴らした。



確信した。喰われる。



「わッ、私、失礼しますっ!」



シュバッ!と立ち上がり、床に転がっていたスクールバッグを素早く手に取る。