「人の子は酒に慣れていないのでしたね」



「本当に…ごめんなさい…」



一瞬、噛み殺されるのではないかという恐怖がよぎったことは絶対に言えないが――…しゅん、と俯いて謝る。



「憂さん、大丈夫ですから。…――ふふ、これでおあいこ、ですね?」



チラリと視線を上げて世羅さんを窺えば、

ほわあっと周りに花が舞っているような、優しい温かい笑顔で私を見ていた。



「……っ…」




――とくん、


心が跳ねた気がした。



「…あ…ありがと…ございます」



「いえいえ」



次にチラリと千歳くんを見ると、突っ立ったまま何故か瞳をキラキラと輝かせて、私を見ていた。



――なぜ?


本当に、なんでだろう。



もしかして――

私を喰らおうとしているのだろうか。



あれ…?

キツネは……


肉食、だっけ?

草食?どっち?