アヤカシとキツネさん

父様に何するんだ!と、ぷりぷりおこぷんな子狐が私に近寄ってきて、右ストレートを繰り出してきた。

トスンッと肩にあたったが、たいして痛くなかったので、子供をあやすように頭をポフポフと撫でてごめんねと謝る。



というより、

子狐に構っていられない。



問題は、世羅さんだ――



「あ…あの、世羅さん…ごめんなさい。まさか――まさか、お酒だなんて、思わなくて…」



そう、私が勝手にお茶だと思った飲み物は――お酒だった。


何の匂いもしなかったのに…

恐らくかなりキツめの酒だろう。まだ口の中がピリピリする。



「いえ、お気になさらず。憂さんは、大丈夫ですか?すみません…私の配慮が足りませんでした」



少し引きつったような笑顔だったが、

それでも笑顔で、顔を拭きながら、私の心配をする世羅さん(キツネ)。


……優し過ぎる。