アヤカシとキツネさん

けれど――この、あり得ない状況に、少しだけ期待してワクワクしている自分もいた。

鳥居の先に何があるのか、気になった。



だから……


そっと、足を踏み出した。


キツネと一緒に鳥居をくぐる。



「……ッ――」



たしかにその一瞬、


ぐわりと世界が揺れた。


世羅さんがしっかりと手を握っていてくれたので、何とか踏み留まる。




「――え?」




開けた視界の先にあったのは、境内ではなく――


緑ざわめく深い森だった。