アヤカシとキツネさん

目を細めて綺麗な笑みを浮かべたキツネが――…



「私は――妖(あやかし)、とでも言いましょうか」



人間ではありません、そう言った。



ゾクリ――と、身体が震える。



「大丈夫です。憂さんに危害は加えません。人の子でも此方の世界に入れますから――大丈夫ですよ」



繋いだ手を優しくひかれて、歩みを促される。



キツネの言葉を――、


信じていいのだろうか。


騙されてはいないだろうか。


用心深いといえば聞こえはいいが、他人を信用出来ない私は――まだ、逃げようかと迷っていた。