『それ近所の高橋さんからもらったキュウリよ。あんまりたくさん頂いたからおばあちゃんにもおすそわけしようと思って、でもちょっと用事ができて私がいけなくなっちゃったのよ』 『ふ〜ん?いいよ、私届けてくるから』 『助かった!詩音お願いね!』 お母さんは、安堵したように微笑むと、すぐさま、家を後にした。 よっぽど急いでいたのだろう。 『おばあちゃんに会うの久しぶりだな〜』 私は、そう呟いて、さっそく、おばあちゃんの家に向かって歩き始めた。