「翔真のバカやろ…」 長谷部くんがポツリと、そう呟いたのが聞こえた。 誰にも気づかれないような小さな声で、そっと、息を吐くように。 長谷部くんは泣いていた。 でも、それも一瞬のこと、 「誠くん、来てくれたの!ありがとね」 相澤くんのお母さんに声をかけられた時には、既にいつもの長谷部くんに戻っていた。