「名前、教えてくれんかな。」



その人は私の機嫌を伺うようにじー、っと此方を見る。



はぁ、もう、仕方ないな…。
名前を教えるなんて、と思いつい仕事で使う偽名を出す。


「里香です。」



すると、おじさんは目を丸くしてありがとう、ふだけ言って元の場所に戻った。