…もっと言えば…
最近、俺も、カノジョが
できたし。

いつか、電車の中で
声をかけて来た女の子だ。
別に相手の気持ちに
適当に応えた訳でも無く、
きちんと自分も好意を感じると
認識していたから。

それなのに、気になるのだ。

…あの人は、言わないから。

音村係長は、恋愛要素を含むと
肝心な自分の気持ちを
絶対に言わない。

いつか俺がぶつけた気持ちに
答えをくれた事だって、随分
追い詰めてしまったから。

俺は、あの時は、
言わざるを得なかったのだと
推測している。

本当は、黙ってやり過ごして
しまいたかったのでは
なかったか…と。


音村係長…

本当に…いいんですか?

本当は…想っている相手が
いるのじゃないですか…?