これからは、自分で選んで
人生を創っていく。


「…自分の意志で戻る。」



きっと、この一年で状況は
変っている。


そもそも人間関係は悪くはない
我が社であっても、考え方が
古いところもあり、相当な
実力主義の会社だ。


社命で出向という事実があれど
実際、本年入社した新入社員と
大差のない俺達を嘲笑う人間も
出てくるだろう。


「でも、そこで闘う。
…自分で戻るって決断をする。」


立ち上がり、水を飲む俺を
不思議そうに見ていた
神島だったが



「何と闘うのかは知らねぇけど。
まずは、目の前の敵と戦うぞ。
今度は勝つ!!」



タオルをバッグに突っ込み
不敵な笑みを湛えるリヒトと
二人の同級生に向かい
歩みを進める。



そうだな…


“やるからには
真剣にやるのだぞ”


音村係長も、そう言っていたし
まずは、目の前のプロを
ぶちのめしてやろう。


決意新たに、
神島の背中を追い
立ち上がった。