出向者を、部長へ
上申する期限は
明日の夜。
「…まだ、一日あるな。」
「そうだね。」
まだ、諦めるのは早い。
最後の悪あがきを
してやる。
…そう、思った時だった。
「佐藤係長。
その手、離してください。
…根性ヤキなんて
今時流行らないっすよね。(笑)」
テルテルがくわえていた
煙草がスッと奪われ、
彼の手の甲に近づけられる。
2人して、声の主を見上げ
息をのんだ束の間…
「ぎゃあああっ(泣)あちぃって
止めろ!!神島っ!!
灰が落ちるっ」
まさかの神島くんの行動に
慌てるテルテルと驚く私をよそに
彼は口を開く。
「俺は…そんなに頼りない
ですか?」
投げ掛けられた台詞に
2人して、立ったままの
神島くんをみつめた。



