少し異様な沈黙が流れた後、翔がププッと音をたてて笑い沈黙が崩れた。


急にその場が明るくなる。


「いやー、修也は死が怖いかな‥と。」


あー‥、そんなことか。


そう言えば、夢でも聞かれたな。


その時は怖くないとか言ったんだっけ?


でも今は少なくとも違う。


「あ‥‥、そうだなー、オレは死が怖いな。大切な人ほど失いたくない。」


オレ何真剣に話してんだ!??


ただの雑談なのに‥。


オレがそう言うと意外だ!と言いながらケラケラと笑いだした。


きっと怖くないという言葉を期待していたのだろう。


それにつられてオレも笑ってしまった。


笑った後、修也が手のひらをパンッと音をたてて合わせた。


「そうだ、修也。夏休みにオレの家来いよ!」


突然の翔の誘いにオレは少し驚いてしまった。


夢でもそんなことはなかったぞ。


悩むけど‥‥、まぁいいか。


「あぁ、夏休みは長いからな。」


「ウッシャー!!約束だからな!じゃあ、オレこれからバイトだから!」


翔が喜びのあまりに飛び跳ねながら走ってバイト先へ行ってしまった。


翔が見えなくなり、オレ一人になる。


それなのに、なぜか孤独感がない。


「やっぱり、楽しいわ。」


ゲーム意外にも楽しいと思えることが増えた。


昔のオレの学校への印象は、


上下関係ができ、イジメが発展するイヤな場所としか思っていなかった。


だが、今はそれとは違う。


うまくは説明出来ないが、昔とは違う印象を持っている。


「このまま‥、誰も‥‥。」


そう呟いてオレはその場を後にした。