「クラス皆仲がいいのよ。」
教室へ行くまで先生は沈黙をつくらないようにオレに話しかけてくる。
どこの先生も皆同じか‥。
呆れた気持ちを顔に出さないようにオレも笑顔で対応する。
「あの、先生。クラスで変わったことはありませんか?」
突然聞かれて先生は驚いたようだったが、話始めた。
「心配しなくても大丈夫よ。皆仲がいいし、変わったことなんて‥‥ないわ。」
確かに心配はしているが、先生とは別の心配をしている。
しかも何故二回も仲良しアピールをするんだ?
そんなにも仲がいいのか‥‥。
それとも‥????
先生が途中で言葉が止まった理由も気になり始める。
そんなことを考えていたらあっという間に教室の前にたどり着いた。
「ここで待っててね。」
そう言うと先生は勢いよくドアを開けて教室の中へ入って行く。
それと同時に騒がしくなった。
声からしてだが‥‥‥まさかな‥‥。
恐る恐る教室名の書かれた札を見ると夢と全く同じだった。
また夢が現実に近づいた気がする。
ここまで来るとオレは超能力者ではないのかと思ってくる。
そこまで同じなんて、いくらあれが予知夢だったとしてもスゴすぎる。
だとしたら、クラスのヤツらは同じなのだろう。
そう思うと笑えてきた。
先生が入って数分後、やっと転校生の話題となって生徒たちの騒ぎ声が大きくなったのがわかる。
「キ‥‥シ‥‥‥てん‥さい‥!」
オレに聞こえるように大声を出したつもりだろうが所々しか聞こえなかった。
キシ天才!?
心の中で少しボケたがツッコミをする人がいないなと寂しさが増した。
アホらし‥。
何を言ってんだ、オレは‥。
きっと動作からして入れといってるのだろ。
「うしっ!」
気合いを入れて教室のドアを開けた。



