3人とも 自分が霊をなめていた ことを思い知らされた。 『……ハァハァ……元木をつれてかれそうに…なった。』 『フゥ…兄ちゃんを…失いかけたっ。』 息を切らしながら元兄ちゃんと春元はそういった。 『でもあれは母さん……』 僕がそういいかけたとき 『あれは妖狐じゃ。妖狐は人の幻影に化けて人を翻弄する。人を惑わす。罪悪の場合、お前さんがつれてかれそうになったみたいに人をあの世へと誘う。』 僕らは 目が覚めた。 あの妖狐は 桁外れに 怖くて 美しかった。