『タカマノハラニカムヅマリマススメラガムツカムロギノミコトモチテヤホロヅノカミタチヲカミツドヘニ……』 僕は 元兄ちゃんが立ちションをしている真横で 土から頭をだしている しわがれた顔の老婆に向かって祝詞を詠んだ。 般若心経でも よかったんだけども 一番最初に 覚えていたのしか 混乱して出なかったからだ。 ゾンビのような 霊は元兄ちゃんの 足を離すと唸りながら地中へと消えていった。