拷問室がある廃墟に
潜伏して1時間たった頃


誰かが中に
入ってきた。


物陰に隠れて
のぞくと


あの夕方過ぎに相棒をなくした自衛官だった。



『あの人、捕まったの?』



僕は
隣においた

肉の塊に話しかけた。


『ダロウナ。』


肉の塊は静かにそう
いった。


そもそもなんで
肉の塊になってんだろう…。


『ねね、なんで肉の塊?』


と僕がいうと
肉の塊にある目だろう
二つの小さい穴が
僕をギロッとみた。


『肉ノ塊!?失礼ダ。ワシモシラン!』



と肉の塊が怒った。