『ハナセ……。』


ふとそんな声が聞こえて
辺りをキョロキョロするが周りには誰もいない。




『ワレヲハナセ。』



目の前から
声がして
スライムのほうに目をやるとスライムがそう
話していた。




『うわぁあ』

僕は掴んでいた
スライムを手放すと


ドロッと音をたてて
スライムが落下した。



もったあとの
手をみると血のような
液がついている……。


匂いを嗅ぐ。



血だ。




『ぎゃあああ』
元兄ちゃん達よりはリアクションがないけれど


びっくりした。



こいつ
血の塊。


いや、
肉の塊だ……。