春元は僕からあの 物体に目を向け そして口元を手でおおうと激しく身震いした。 『元兄ちゃんは見なくていい。吐いたら臭いからね。』 僕は気絶仕掛けている元兄ちゃんを仰向けに寝かせると 奴をまた監視した。 奴は紛れもなく 化けものだ。 『元木兄ちゃん……あ、あいつ人間を……』 春元は震えながら 止まらない涙を拭くことすらできずに硬直している。 『……人間を食べたね。』