「なに、迷子?」 それが彼の最初の一言だった。 ……そう、私はあろうことか、校内で迷子になってしまったのだ。 だって、あり得ないくらい広くて、複雑で……入学したばかりの私にとったら、校内は迷路そのものだった。 そして、いつの間にか全く知らない、空き教室が並ぶ場所へと来てしまい……そこで彼と出会ったのだ。