ジャンケン




『なんで逃げた。』


『なんで消えた。』


そういうと
佳代子の


母親はニヤリと笑うと


『佳代子、ジャンケンしましょ?』



といった。




その言葉を
きいた瞬間


佳代子の顔色が変わった。


『やめて……お母さん。』


泣きながら佳代子は
懇願する。



佳代子には
ツグミのことなど


頭にはなく
自分がこれから
味わうあの地獄に



怯えた。