「俺と行きたいとこ」 「へ」 「だから外国とかムリ」 「え」 1文字しか言葉を発してない。 それは訳が分からないことを意味してる。 私がキョトンとしていると先輩はどこか照れたように言い捨てた。 「俺と行きたいとこ、考えとけってこと」 え……!? それはまさか!! 「デッ……うぐっ!?」 先輩の片手が私の口をスッポリと覆った。 なに!? 苦しい苦しい!! 「とにかく、それだけだ」 喋れない私は、コクコクと必死に頷く。