「……行かないよ」 私をじっと見下ろして、 「あいつのとこには行かない」 ミーくんはハッキリと言い切る。 「だったら……」 別れなきゃいけない理由が、やっぱりよく分からない。 納得のいっていない私を見て、ミーくんは悲しそうに微笑んだ。 「ただ……思い出したんだ」 「思い出した?」 何を――? 「自分の中の約束」 そう言って、彼は暗い路地を眺めた。