*ミーくんの好きなひと*



「……萌はすげーいい女だから、俺よりいい男が見つかるよ」
 


なにそれ。 



「……質問の、答えになってないっ」


「本当は優しい子だって、周りもそのうち分かってくれる」
 


透明な声。
 
その声で萌って呼ばれるのが好きなのに。
 


堪えきれずにこぼれた雫が、頬を伝った。



「答えに、なってない――」
 


子供みたいに泣く私の髪を、ミーくんは優しくなでる。



「好きだよ、萌。最初に思ってた以上に、すげー幸せだった」


「だったらっ」
 


滲んだ視界の中で、ミーくんは揺らがない。