「ちゃんとした大人になるまで、ひとりでやってきたいんだ」
 


その強いまなざしが、かえって私の気持ちを乱す。




「嘘っ、嘘だよ!」

 

白い腕を掴んで揺さぶった。



「あの、写真の女のとこに行くんでしょ」
 


投げつけた言葉に、ミーくんは怪訝な顔をする。



「写真?」
 


とぼけたフリしたって無駄だよ。



「この間の、メモリの中にあった――」
 


ちゃんと分かってるんだから!



「あの人のとこ、行くんでしょ」
 


声を張り上げて、涙までこぼれそうになってる。
 

必死になって、みっともない。
 
こんなんじゃ、嫌われちゃうよ。
 

そう思うのに、止まらない。



「私をふって、その人のとこに……っ」
 


喉の痛みに堪えかねて言葉を切ると、ミーくんはゆっくり首を振った。