言葉の塊は、重くて棘だらけで、心が一瞬で潰れそうになった。




「どう……して?」
 


こわばったまま、そう答えるのが精一杯だ。
 

私から手を離し、ミーくんは静かに口にする。





「誰にも寄りかからずに、自分の足で立って、歩きたいんだ」


 

それはあまりに抽象的なセリフで、理解できず頭の中をぷかぷか漂う。




「よく……わかんないよ」


「……自立したいんだ」
 


ため息をつくように言われて、心がざわついた。



「自立だったら、もうしてるじゃない」
 


1人暮らしで、何もかも自分で決めて、行動してる。
 
私から見たらミーくんは立派な大人だ。



「まだだよ。自活もできてないし」
 


黒い瞳に、真剣な光が宿った。