予感がする。
 


いつもは自転車で送ってくれるのに、めずらしく徒歩で帰り道を行くこととか、
 
2人の会話が長続きしないのとか。
 

繋いだ手から伝わるぬくもりは、儚い。
 


路地を曲がって自宅マンションの前に着くと、ミーくんは私をまっすぐ見下ろした。
 
黒い瞳は揺れてる。



「萌……」 
 



ああ、だめだ。

 

形のいい唇が言葉を落とす前に、顔を近づけて口を塞いだ。


 
最初は黙って受け入れていたミーくんも、しばらくして顔を離そうとする。
 
その頭に両手を伸ばして、強引に唇を重ね続けた。