*ミーくんの好きなひと*



「これ以上、調子乗れないように”おしおき”しとこうか」

「はあ? ちょっ」
 

掴まれたシャツを強引にねじられる。
 
ボタンを外されそうになり、慌てて抵抗した。


「やだ、何!?」
 

チア部員の1人が携帯をこちらに向けてることに気づく。
 

まさか、動画?
 

それの意味するところを察して、背筋が寒くなった。


「うそ、やめ」
 

正面の女を突き飛ばそうとした瞬間、両腕を掴まれて身動きが取れなくなる。
 
チア部員たちが無言のまま私を取り囲んでる。
 

視界が遮られ、学校の敷地内にいたはずなのに、急に狭い場所に閉じ込められたみたい。
 
鼓動が加速する。
 

これじゃ、周りからも見つけてもらえない。
 

いくつもの手が伸びてきて、足や腕を押えつけようとする。