「……やっぱ暑い」

「あ、暑くないよ!」
 

組まれた手を解かれそうな気がして、慌ててミーくんの手に両手を重ねた。
 

振り向いた瞬間、透き通った目に射抜かれる。


「萌、意地張りすぎ」 
 

言いながら、ミーくんの整った顔がふわりと崩れた。


「汗垂れてんじゃん」
 

長い指に頬をなぞられる。

至近距離の微笑に、胸が破裂しそう。


「い、意地なんて」
 

張ってないし。


「ん?」
 

優しい顔で聞き返されて、何も言えなくなる。