*ミーくんの好きなひと*



「……暑くないの?」 
 

クッションにもたれかかったミーくんが声をこぼす。


「全然へーきー」
 

長い足の間に挟まりながらリモコンのボタンを押した。
 
画面だけが光る薄暗い部屋。
 

本当はもっとくっつきたいけど……。


「店の予約が19時だから、これ観終わったらすぐ出るよ」 

「はあい」
 

返事をすると、後ろからするりと手が伸びてきて、私を捕獲するようにお腹の前で結ばれた。
 


これこれ! 
 
後ろから抱っこされるの、好き。