こいつが鋭いのか、それともオレが分かりやすすぎるのか。
とにかく視線の先がバレバレらしい。
けど、友坂はそれ以上突っ込んでくることもなく「しっかりしろよ」とだけ言って腕をはずした。
そのままラケットを振り回しつつ、1年の方へ歩き出す。
その背中を見ながらほっと息を吐いた瞬間、金髪頭がくるりとこちらを向いた。
怒ったような、困ったような、複雑な表情を浮かべて。
「お前……付き合ってる方の彼女とはどーなってんの?」
「……」
どうせ答えないだろうとでも思ってたのか、そんな言葉だけを残し、
友坂はコートの方へ歩いていった。


