望月先輩――って……。 いつも笑顔こそないものの、月島は親しげに『サクヤ先輩』と呼んできたのに。 じっと注がれる視線に、いつも感じる柔らかな感情が見当たらない。 なんだこれ。 掴んだ彼女の細い肩。 それはすぐ傍にあるのに、ものすごい距離を感じる。 「おいサクヤ、どうした?」