*嘘月とオオカミ先輩*



気がつくと、サクヤ先輩が心配そうな表情であたしを見ていた。

自分でも気付かないうちに放心状態に陥っていたらしい。


いつの間にか行為も終わってて、あたしは枕に寄りかかるようにして布団を纏っていた。

その顔の前でひらひらと手を揺らし、先輩が不安そうに覗き込んでくる。



「つ……ツッキー?」



その呼び方に、心臓が鈍く痛んだ。



このまま関係を続けていても、



先輩はきっと……



あたしをハルカって呼んではくれないね……。