*嘘月とオオカミ先輩*




あたしをきつく抱きしめて、沢山のキスを降らせるサクヤ先輩。

熱く、溶けるような抱擁の中で、先輩の声を聞いた気がした。




それは低い呻きのような、


甘い囁きのような……。




苦しげに眉間に皺を寄せて、




噛み締めるように、


切なそうに……





狂おしそうに、呟かれた声。




「っ……ゆう……」