「ん……」 柔らかな唇に翻弄されながら、あたしは思う。 先輩には彼女がいます。 ――ハルカ、もしかして……まだ先輩と……?―― そうだよエリ、あたしは先輩と許されない関係を結んでる。 ――不毛だよ? そんな関係―― そうかもしれない。 あたしもそう思ってた。 でも、本当に不毛なのかな? 今あたしに向けられているまっすぐな視線は、本当に何も生み出さないのかな?