「せん……」



言いかけた言葉を遮るように、降ってくる先輩の唇。

その柔らかな感触に、全身が脈動する。



サクヤ先輩がゆっくり離れていく。


その顔が、月明かりに照らされる。




優しげな表情に、心臓が震える――





無言のまま、先輩はあたしの腕を取って、ネオンの光る通りに歩きだした。