*嘘月とオオカミ先輩*




「はいツッキー、オレの半分あげる」



ケーキのお皿をこちらによこして、サクヤ先輩が嬉しそうに微笑む。


普段抑えつけてる感情が、ムクムクと膨らんでいく。




その笑顔……独り占めしたい。




「先輩……」

「ん?」



きょとんとした子犬みたいなその顔を、じっと見つめる。