外灯に照らされた狭い通りの真ん中。
重なった2つの影に見守られて、サクヤ先輩の乱れた声がはじけ飛ぶ。
「あーもう! 三條のヤツまじ八つ裂きにしてやりてぇ! ふざけんなよ! 何ひとの彼女に抱きついてんだあのバカはっ!」
薄暗い路上に大きな声が反響する。
「さ、サクヤせん…」
呆気に取られて見上げると、逆に先輩の鋭い視線に貫かれた。
「ハルカ! お前もな、隙がありすぎんだよ! もっと危機感持てよ! 三條が言い寄ってるって気づかなかったのか!?」
「す、すいません……」
見たことのない迫力に気おされて謝罪の言葉を口にすると、先輩は熱を冷ますように長い息を吐いた。
そしてふたたび手が繋がれる。


