「いやあぁぁぁぁぁぁぁ!」 「ちょ、ハルカちゃんっ」 サクヤ先輩が慌てて手の中のものを地面に放り出す。 音もなく落ちたそれは、ぴょんと跳ねて茂みに消えていく。 「さ、サクヤっ、なんで、か、かか、カエリュっ」 取り乱すあたしにサクヤ先輩は両手を開いて顔の前に掲げて見せた。 「大丈夫! もう捨てた! もういないから! 落ち着いて。はい、深呼吸!」 「ふぐぅ」 先輩に言われるまま、深く息を吸い込んで、ゆっくりゆっくり吐き出す。