「サクヤ先輩っ」 三條先輩の腕を強引に振りほどいて、その場から駆け出す。 前方で闇に溶けそうになっている背中を夢中で追いかけた。 先輩、待って、行かないで。 離れてほしくない。 こっちを向いて、笑顔を見せて――