お互い好きだなんて口にしてても、 どちらか一方に我慢を強いれば、きっといつか心のバランスは崩れていく。 ずっと付きまとっていた不安の正体が、目の前にハッキリと輪郭を現した気がした。 それは先輩の背中に重なって、永遠に解消する機会を与えないとでもいうように遠くへ離れていこうとしてる。 あたしは下ろしていた手をきつく握り締めた。 サークルで噂されたからって、それがなんだっていうんだ。 そんなものよりもずっとずっと大切な、かけがえのない人が、 そばにいてくれてるのに――