三條先輩から視線を逸らし、辺りを見回すフリをする。 「ボールをこっちに飛ばしちゃって。見つけたらすぐ戻りますから……」 出した声は自然にしぼんでいく。 胸の底が急激に冷えていく気がした。 そうだよね。 先輩が来るはずない。 あたしがそうするように頼んだのだから。