*嘘月とオオカミ先輩*


 


やだ、やめて。
 

そんなふうに、女の表情で先輩に近づかないで。
 



いつもは心のどこかにしまっていたような感情が、一気に溢れ出してくる。
 



気心が知れた同期からの愛の告白を、先輩はどう受け止めるんだろう。
 

先輩の反応が恐くて、きつく目を瞑っていると、



「……あり、がと」
 


サクヤ先輩の静かな声が耳に入った。