*嘘月とオオカミ先輩*




弱い街灯の光を頼りに、愛しい姿を求める。

暗がりに目を凝らしているうちに、不安が胸いっぱいに広がっていった。
 


先輩とナナミさんは同じ3年生で普段から仲もいい。
 
ナナミさんが告白したら、先輩の気持ちは揺らいでしまうかもしれない。
 


サークルで笑い合っていた2人の姿が頭の中をぐるぐる回って、あたしの気持ちもぐるぐると渦巻いていく。




いやだ。
 


いやだよ、先輩。
 



込み上げそうになる感情を抑えながら、いくつもの路地を走って、
 
やがてあたしは求める姿を見つけ出した。