周辺に飲み屋が多いから、22時を過ぎていても駅は学生やサラリーマンで程よく賑わっている。 先輩……? その姿を見つけられずに焦っていると、手に持っていたカバンから小さくメロディが流れ出した。 着信を受け、まるでその存在を主張するように歌い続ける携帯電話。 サクヤ先輩からの着信であることを確認し、あたしは集団から離れて携帯を耳に当てた。